清水玲子:月の子 MOON CHILD
清水玲子と言えば「輝夜姫」が有名な作家。
でも、私は輝夜姫よりも本作のほうが好きです。
壮大なお話です。
まさかこんな結末に!?と、最後まで驚かせてくれます。
始めはアンデルセン童話「人魚姫」になぞらえたラブストーリーかと思ってしまいます。が、単純な恋愛だけではなく、兄弟の愛憎も絡み、世界的事件へとつながっていく。
その流れがなんとも秀逸!
イメージがない・・・。でもすごく綺麗な表紙ですよ!
【あらすじ】
1985年、ニューヨーク。
宇宙へと巣立っていった人魚族の子孫である三つ子の人魚ベンジャミン、ティルト、セツが、産卵のため月から帰ってきた。
しかし女性として子ども(卵)を産めるのはベンジャミンだけ。
彼(彼女:普段は小さな男の子だが、好きな人の前だと絶世の美女になる、性が変わる)が恋したのは、おちぶれたダンサーのアート。
しかしベンジャミン=人魚が、アート=人間の男性に恋をすれば、大きな災いが起こるという。
物語は様々な人々の思惑、感情を孕んで、やがてその大惨事と運命の愛の結末へと向かっていく・・・。
清水玲子の描く人物は
美しい。
こんな綺麗な人間いねーよ。とまで思ってしまいます。
が、SF等非日常なジャンルを描くことが多いので、
その絵がマッチしてよいんですよね。
結構残酷な内容も描かれますが、
その綺麗さでなんか読めちゃう。
物語としては、前半ののほほんとした空気が好き。
ジミー(普段の少年の姿)が人間世界に慣れていくところやかわいい嫉妬。
クライマックスになってくると、人間であるアートが人魚のベンジャミンの言動に向き合えず、どろどろとした空気に一転。
それを一気に収束させるのがセツ!
私の大好きなセツ!
当初のいじいじした性格のセツはすごい嫌いだけど。
これまた私が大好きなショナ(人魚)に惹かれて変わっていく姿がとてもかっこいいです。
主軸:ジミー(=ベンジャミン)とアートの恋
キー:セツとショナの恋
影の軸:ティルトの破滅
という感じ?
後半のどろどろは確かに読んでいてきつい。
誰も幸福じゃないから。
でも、最後はハッピーエンド、と言えるのかな。
人類に対するアンチテーゼを含んでいるように思うので、
非常に心を痛めるハッピーエンドですけどね。
環境問題やチェルノブイリの事故について、
よく知らないけども・・・という方に
特に読んでいただきたく思う作品です。
読んだらきっと当時のことを調べたくなるから。
(追記)昔のDragon AshのCDに「チェルノブイリに悲しい雨が降る」
という曲がありました。あわせてどうぞ。テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック
- 2008/01/09(水) 11:35:34|
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