萩尾望都:メッシュ
「印象派」という感じの作品。
70年代の手塚治虫風から、現在の望都さま画風へと変化する過渡期、という印象です。
作品の内容としても、メッシュ以前のものと比べ、全体的に少し重めのトーンで、コミカルでありながら心理表現が読み手の身に痛く感じられてしまう。
なんか、たぶん感想も印象派チックになっちゃう(笑)
【あらすじ】
パリを舞台に、母親に捨てられ、父親に憎まれている少年・メッシュの彷徨と成長を描いた連作短編。思春期の不安定な心を描いた心理ドラマとして評価が高い。
主人公は金髪だが両脇だけ白銀の髪をもつ。母親に女名をつけられたためメッシュと名乗っている。男性なのに女性の名を持ち、女装を楽しみ、同性愛者に言い寄られるなど、性同一性の混乱・曖昧な性という主題が全編通して存在している。
またラストシーンの美しさは随一で、明瞭な答えは示さない印象的な結末が多い萩尾望都作品でもベストに挙げる声が高い。
名前(本名)も見た目も女性的で、自分でもそれを分かって利用しているメッシュ。
すごく大人かと思えば、やっぱり子どもっぽくて、いつも誰かに支えてもらっているように見えます。
支えてもらって、やっと生きているのに、飛び立ちたくてだだをこねてる感じ。
当初、実の父との確執を持って、そんな風にだだをこねていたメッシュですが、ひょんなことからメッシュの面倒を見るようになった贋作画家のミロンとの生活を通じて、逆立てていた毛が次第に靡いてふわふわしてくる。
そんな
変化の過程がとても繊細かつ大胆に描かれています。
飄々として見えるけど、実はナイーブで傷つきやすい少年のメッシュ。
私はそのメッシュの面倒を見ているミロンが好きw
メッシュに振り回されてあたふたしてても、あんまり動じてるように見えない。
どしっとした安心感があるのよね。
典型的な良い人。良いあんちゃん。
たまに見せるコミカルなふたりのやりとりが大好きなのです。
また、単発で登場する人物たちも、とても魅力的です。
ミロンが贋作をお客様へ持っていく回と、ファッションショーではちゃめちゃをやる回が好きです。
そういえば、どちらもメッシュは女装してるかも…(笑)
最近、女装する男子高校生とか流行ってるけど、
美しいものは美しい。それでよい。
萩尾望都の心理描写ってすごく幻想的です。
漫画で描く表現がこんなに幅広いかと思うほど。
漫画で大事なのは絵とストーリーがもちろんですが、
その
「台詞まわし」「空気(テンポ)」「心理描写」が大きな差を生むと思っています。
「メッシュ」は、それらがきちんとバランスよく描かれています。
テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック
- 2008/03/23(日) 20:36:02|
- 漫画
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0